原因不明の病気、悪いことが重なる、何かの祟りではないか。そういった深刻な問題や、延命長寿、病気平癒のため、滅罪生善のために、この供養を依頼されることが多い。また、年に一度、半年に一度、自宅もしくはお寺で、家の行事として営まれる方が多いものです。
この供養法は、二座に分けるというもので、二つのお座敷で供養するという意味ではない。「亡者成仏供養法」という名前でも広まっている。
もとは、宇宙・自然の摂理を数理で捉え、陰陽、時間から因果関係を紐解く『病源即知法』に関わるもので、この法の実践、解決の手段とし、滅罪・供養の法として確立したとされる。現代人が即知法を読めば、一見これを荒唐無稽なものと思うかもしれないが、あらゆる相談を受けてきた者からしてみれば侮れないものがある。また醍醐に由来する水火二元法というもの(おそらく明治期以降に成立したものと思われる)があり、そこから生み出された滅罪、悪因縁除けの修行とともに昭和の時代に広く実践された。
先日もこの二座式供養のために九州へ出張。病気平癒や住んでいる土地の問題、荒れる子供、夫婦関係、心霊現象など、諸問題の解決策として、この供養法をおこなっています。 準備物は、二つの「お霊供膳」、どんぶりに用意したお水、塔婆や飾り幣など。自分の先祖だけでなく、土地、有縁の神や諸霊、餓鬼、六道の衆生に供養を施します。
・一座目には食べ物、お膳を供養します。
・間に理由があって、休憩の時間を取ります。
この時に病気の方のお加持、お話などもします。
・そして二座目に、仕上げの供養を行います。
時間は3時間ほど。必要があれば、葬儀と同じ供養を加えたり、お祈りをする側もその時々に応じて、何を祈るべきか対応を変えます。先祖さまだけでなく、様々な霊魂が現れることもあれば、土地の神様がいらっしゃることもある。そもそも家族や個人の懺悔・滅罪がもっと必要なこともある。
弘元寺では、なるべく先祖の戒名も含めて、自分の家の家系図を作成してから二座式供養をしていただくよう、ご指導申し上げています。というのは、いくら目先のことが良くなるように祈っても、自分の生命の根源となる先祖さまを大切にせずしては、十分にうまく行きにくいからです。家庭や自分を一つの樹木であると喩えるならば先祖は根っこになります。根っこが弱く、また枯れてしまっては木も倒れてしまいます。逆に、根が大地に広がり、強くしっかりしていれば、大きな困難、台風が来ても、ちょっとやそっとのことでは倒れなくなります。
自分の悪い行いを反省・懺悔することは、自分の畑の雑草を抜くようなものです。懺悔することは決して自虐的になるためのものではなく、よりよい美しい花を咲かせるため、光り輝く宝石を磨き出すためのものです。
先祖に想いを馳せ、家系図をつくり、供養を行うことは、自分の本来の生命に立ち返るお作法です。現代人がよく自分の道に迷うのは、親・先祖を振り返ることを忘れているからではないでしょうか。そしてちょっとの雨風に遭って「運気が悪い」と判断するのは、恩を忘れて根っこが弱いから、利他の精神で施し・奉仕の心を忘れた貧しい細い枝木であるからではないでしょうか。
「パワーをもらえる」と安易なスピリチュアルに手を出しても、樹木が適切な太陽の光(恩恵)を浴びる姿ならば良いですが、過度な肥料が作物の根を枯らすように、またその栄養素が自分の畑に生える雑草ばかりを伸ばすことだってあります。欲にまみれて失敗するのは、そうやって自分の庭に放置した不要な雑草を伸ばしてしまっているのかもしれない、と気づかなければなりません。
さて、この供養は十一面観音、地蔵菩薩などを本尊とすると伝わります。病気平癒や開運には、重い罪を滅し(滅罪)、懺悔し、徳積みをし、先祖の供養、迷った霊魂の供養が必要となります。十一面観音の前で懺悔し、疫病や災害などを除く祈りは、天平勝宝四年(752)に始まった東大寺の修二会にも見られます。また十一面観音には病気や障難を除き、怨みごとも治めていく御利益がある。地蔵菩薩は地獄でもどこでも助けに向かってくださる誓願がある。幼子、赤ちゃんの魂も救ってくださる。
もっとも九州の祈りでは千手観音さまが現れたので、それにしたがい、お祈りをしました。聞けば施主の家族は千手観音が本尊のお寺へ最近よくお参りするとのこと。そうやって神仏は真心をもって手を合わす私たち衆生のことを見てくださっていることを体感します。
あなたの日々のお祈りも必ず届いているものです。
令和八年八月二十一日
【行事カレンダー】
毎週日曜 朝6時「勤行・お茶」。 第二は福山霊苑。
28日(金)「弁財天 護摩」20時~
9月
3日(木) 「毘沙門天」朝6時
6日(日)「滝修行」朝5時半にお寺を出発です
「水子供養」護摩 10時より
7日(月) 「瞑想・お勉強会(十三仏)」朝10~12時
13日(第二日曜)「合同清掃」福山霊苑 朝6時~
彼岸前のお掃除。手袋、草刈機、剪定バサミ、チェーンソー等、お持ちの道具を持参ください。
21日(月/敬老の日)「御縁日の護摩」10時~※20時無し
23日(水曜/秋分の日)「お彼岸の合同供養祭」
10時 弘元寺「法話・供養」 10時45分頃 福山霊苑
【お知らせ】
畳の原料、備後藺草の株分けシーズンです。
お寺では9月3日より、株分け体験、お手伝いを実施します。どうぞよろしくお願いします。