法話

智慧の力

 《 智慧の力 》

 あらゆる悩みを除かんには般若の智慧をもってなし。仏の力は偉大であり、非常に大きなものであるということです。お大師様、真言宗の教えは自力によって救われようとする教えであるとよく勘違いされていますが、以前にもお話したようにそうではありません(三力のお話)。

私たちは如来の力を、私の浄らかな心の上に、濁りのない鏡の上に、真実に、明らかに、映し出そうとしなければなりません。

 どうやって行なうか。お釈迦さまから始まる仏教の教えの如く、まずとにかくもって心を浄めるのです。いたずらに自分を傷つけることでもありません。自身をいたわり、わたしの命の真実に目覚め、あらゆるものは仏とつながり、みがきあい、かがやかしあい、いかしあいをしている境地に気付くことです。

 どうにかして「つながる」こと。

見つめたり、詣ったり、お線香を立てたり、明かりを灯したり、真言を唱えたり、経文を読んだり、仏さまの為に掃除をすること、仏と共に仕事をすること。信じること。こういったことを重ねる内に、段々と智恵が備わってくる。

 仏、大師と共にありさえすれば、姿勢を調え、呼吸を正し、ゆったりと目を閉じる。

それだけで何かに気付く。

自分だけで(命は)生きていると思っている間はいつまで経っても気付けない。
簡単なことなのに分からない。自然しかり、親先祖しかり、神仏しかり、私たちはもとよりあらゆるものとつながっています。どこを軸に置くかはまた別として、ただ自我に溺れ、己の欲だけに生きている時にはあらゆることが分からないものなのです。

だから宗教が有るとか無いとか別にしても、溺れていない状態を確保する事は大事です。
「自分」というものを預けられる信仰があればなお良いことでしょう。
智慧を得れば世界は輝きに照らされます。暗闇を作っているのは自分なのですから。
マンダラ、沢山の仏さまがいらっしゃるのは、あらゆる悩みや苦悩に多く応えるためです。

祈りの空間は、仏のマンダラ世界を映し出し、智慧と光明に溢れ出します。

日曜日からの早朝前行祈祷会にもどうぞご参加ください。

仏の世界につながりましょう。

《 ひとこと 》

・仏教は己を浄むるおしえなり。
・出家、懺悔の功徳は計り知れず。

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