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「供養、施しの心を持って、また来世にも出合う」

「供養、施しの心を持って、また来世にも出合う」
もう二月末です。今年の目標は立てましたか?
今年、今月と、大切にしたいことをお持って 日々の生活を送っていますか?
ぼーっと生きていると…、
もう一生叶わないことが人生に起こるものです。

私がよく伺うのは、
「親孝行できなかった」「あの時、話しておけばよかった」
「時間が無いと言い訳して…」「…やっておけば良かった…」という声などです。
後悔しない生き方をするにはどうしたら良いのでしょうか。

私は、これは人生の敵だと思っているものがいくつかあります。
一、「自分の小さな欲を優先すること」
二、「面倒くさくなること」
三、「腹が立つこと」
四、「優しい言葉や感謝が言えなくなること」。
また行動と言葉と心の身口意にこれらを分け、細分化して観察すると自分に対する理解度が更に深まることでしょう。
あなたの身口意はバラバラになっていませんか?。

自分の小さな欲をいつも優先していると大切な機会、チャンスを逃してしまいがちです。
また最も留意すべきことは、自分の小さな欲望が、
他者を傷付けるに留まらず、相手の生命を奪うきっかけや原因になることさえあるということです。
少しでも自分の欲を省み、コントロールする力を得れば、自分の言動は自然と慈悲に溢れたものとなり、他者に手を差し伸べられる人間に成ることができます。

二、面倒くさいと心に思うと本当に上手くいかなくなります。
自分も他者も活かせません。段々と優しい言葉もかけられなくなりますし、貪欲さは増し、腹が立つことも多くなります。
「丁寧に生きなさい」と多くの先人が言われるのも頷けます。
ずぼらは駄目ですが、時に息抜きをしたり、楽をすること、自分一人の時間を大切にすることも必要です。
また自分にも他人に対しても、家や道具、イスやテーブル、草木や水湯、
目に映るものから、ご先祖、神佛などの目に映らぬものまで、
どれも大切に扱えるようになれれば、とても幸せに生きられるようになります。
丁寧に生きるだけで気付きが多くなりますから。

三、腹が立つことが悪い。というよりも、
あなたを腹立たせる自分の心の内側にある根本原因についてよく知ることが大切で、
腹を立たせる自分の心の源底に対し、いつまでも向き合わないことが良くありません。
勿論、適切な時期というものがありますし、また見たく無いものを観る勇気、機会を与えてくれる善知識(よい指導者や友人)に出会えることも道を分けます。 心の成長によって出合いの縁も変わりますから、
反省をすること、神佛への供養、他者に施すこと、心を尽くすこと等が 自分を育み 助けるものとなります。
優しい言葉や感謝も施しにつながります。
出来ていること、出来ていないことを振り返ってみましょう。

さて、京都の書店の店主が先日お亡くなりになられた。
大学生の時からとてもお世話になり、仏教の基礎から論文を書く為の重要な資料までいただいたり、食事をしましょうとご馳走をしてくださいました。頂戴した恩は数知れず、言動のみならず、多くの心を配ってくださっていたことを思い出します。
またこの店主は真言宗の僧でも有られました。そして息を引き取られる三日前にこう言われました。

「私はどうやら(仏の浄土にずっと安住することはできなくて)生まれ変わりをしなければならないようです。ただ人間界に生まれることは、とても力が必要なことのようです。どうかその為の力を送って欲しい。」
私はこの店主の追福追善を祈って、経や真言を唱えて廻向しています。
頂戴した恩に報いるため、また来世生まれ変わった時にお互いに合掌、お辞儀をしたいからです。
ご修行され、信心家であり、多く徳積みもされているだけあって自分の死後の道が感得されたわけですが、
それでも人間世界に生まれ変わるには大変な力(積善功徳)が必要であり、祈りが求められる。

現代日本は葬儀も七七日も法事も、墓も位牌も無い人が増えています。
月命日も思い出してもらえず、死後に祈ってくれる人もいない。
そんな世の中ではいけません。そんな家族関係では駄目なのです。
死後、あの世において子や孫や友人の幸せを祈れるような死に方をしなければなりません。
いつまでも互いの幸せを祈り合える、そんな生き方のほうが魂も輝きます。
いま生きている間も、死後も、来世も素敵な自分でいられるように考えて、今日を生きてはどうでしょう。
なたが見送った大切な方も、あの世で生きています。

私は前世で食事を恵んでいただき、次は自分が恩返しをする為に 今世において縁が結ばれたのだなと思える方が数名いらっしゃいます。
またその過去世の映像は、施しに対して感謝と供養を祈っている自分の姿であり、施主が幸いでありますようにと祈り、そして自分のさとりが完成されますようにと修行をしている僧の姿です。
修行者に食事を施す功徳はとても深いといいますが、施食は またお互いを 人間界で出合うための 縁を作る 助けともなるようです。
食事の尊さは現代日本で忘れられがちですが、まず感謝合掌して、
そして神佛先祖さまにもご飯を供えて欲しいと思います。
それが自分の来世を良いものへと導く、大きな功徳ともなりますから。

令和七年二月二十一日

23日(日)「府中市 十輪院 柴燈護摩」13時~
23日(日)「甲子大黒天 一時千座法」23時~
3月
1日 「弁才天護摩」20時~
2日(日)「水子供養/地蔵護摩」10時~
3日(月)「毘沙門天」朝6時~
9日(日)「無縁塔供養」朝6時半~ 於福山霊苑
20日(春分)「合同供養祭」10時~10時30分頃まで
弘元寺にて法要を行い、福山霊苑へ移動します
21日(金)「大師御縁日 護摩」10時、20時

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