主人が急に優しくなり、
「お前が嫁に来てくれて良かった。愛している。」なんて、これまで言ったことも無いような言葉を言い始めた。今では意味のあるケンカができるようになった。これまではただケンカをしていただけで、そこには何にも生まれない。そんな夫婦仲だった。
これはお寺に参り始めて隨求菩薩さまの真言(オンバラバラ~)を1080遍唱えるようになった方の話。みるみる状況が変わり、お寺にお参りする度に主人が変わるものだから、信じて一所懸命に先祖さまを日々供養して、大切にするべきものから一つずつ大切にしはじめた。何より日々が楽しくなってきたのが嬉しい。
二十代後半の女性。日々の生活や金銭感覚を母親から心配され、地元に帰って来なさいと言われていた。父親は娘はもう無理だと言い切っていたほどだが、ある時、祖父の法事があり、女性は帰らなきゃと急に思い立って仕事を休んで地元に帰ってきた。 それから母に言われてお寺のお四国遍路に初めて参加。お寺の宿坊に泊まった時、人生で初めて神秘体験にあった。
目を閉じると光に包まれた大きな方が現れる。抱きしめてくれているような感覚。私を包み込んでいくのを感じた。これがお大師さまなんだ!とようやく思い、もうこれ以上気持ちのいいことは無いという感覚が残った。
地元に帰るかどうするか。心揺れながら、母親の強い愛情も後押しして、急に地元に帰る決心をした女性。一週間もしない間に仕事も辞め、部屋も払って帰って来た。そして部屋の片付けをする時にずっと現れたのが、手のいっぱいある小さな光輝く仏さま。キッチンの棚を開けても、お風呂場を開けても、どこにでもずっといる。目を閉じても開けてもいる。この手がいっぱいある仏さまが片付けを手伝ってくれている。帰るのを後押ししてくれているのかなと思った。後になって、それがどうやら千手観音さまだということを知った。仏さまは本当にいるんだと思った。
5才のユミちゃん(仮名)は、寝るとお母さんがガイコツに食べられる夢を二日に一回は見ていた。ユミちゃんはそのたびに「お母さんをこれ以上食べないで!」といつもガイコツを引っ張ってはお母さんを守っていました。だから夜になるのが嫌でした。夢から覚めると辛くて泣いていました。 しかし、それが変わったのは、
ユミちゃんのお母さんがお寺にお参りをはじめてお写経をし、ご真言を誦えるようになってから。
そもそもお寺とのご縁の始まりは、お母さんの腰痛がひどく、手術をしないといけない。歩くこともままならないという状況の中、伯母にお寺に参ることを勧められたところから。このお母さんが偉いのは信じて写経を山ほど書いたこと。日常生活の中に御真言を唱えるようにしたこと。今では娘のユミちゃんが御真言を一番唱えるそうです。気が付くとずーっと唱えて、
「よし!」と言っては何だか気が済んだ様子・・・。一体誰に似たのだろうと親は思うそうですが、きっと前世からそういったものを持って生まれてきたのではないかなとしか思えません。そうしてガイコツは一切出てこなくなり、なんとお母さんの腰痛もすっかり治ってしまい、お医者さんもビックリして首を傾げたそうです。
また夫婦仲も良くなった。一つには私が一歩引くようになったのもある。男と女はデコとボコ。女の私もデコだったから、いつもぶつかっていたのが、ボコになってぴったり合わさるようになったからかなと話されます。そしてユミちゃんは朝になって急にこんな話を始めます。
「夢にゾウさんのような大きな人が現れて、「よう拝んでくれとるな(よく拝んでいるね)」とギュッと抱きしめてくれたんよ。あれ誰?」とお母さんに聞く。仏さまなのでしょうね。
また他にもお陰は続く。主人が副業にしている商売がすごく売れる。お寺に参るといつの間にか注文が沢山来ている。お陰様でいつも徹夜とのこと。
しかし一番のお陰は、この夫婦はいつもケンカをしていて、周りもいつ離婚するかなと思っていたのに、妻がお祈りを初めて、話し方、受け止め方、自分を、主人を大切にする方法が分かるようになったこと。夫婦仲が良くなったことでしょう。
頭で分かるように住職や副住職が、いくら言葉で説明しても実践のない人からはこのようなおかげ話は聞いたことがありません。結局は素直に祈ってみることです。また先祖様を供養すること、地元の神様を大切にするところからです。仏さまお大師さまは先生になって下さいます。学んで手を合わせ、実践をしましょう。
日切大師弘元寺 平成廿九年十二月廿一日
《ひとこと》
・足を運ぶところからはじめましょう
・どうせ やるならば真剣に