先月の続きです。
六方向とは、東は母・父。
南は師匠・先生。
西は妻・子《先月に紹介》。
北は友人・知己。
下は生活を支えてくれる人・部下。
上は尊敬を集め、慕われるべく人(沙門)。
【東=母父】
五つの理由によって子は母父に奉仕するべきです。
①養われた私は母父を養います。
②母父の大切な用事には自分の仕事を置いて行います。
③家系を存続させます(土地・家・財産を含む)。
④財産を相続していきます。
⑤亡くなった先祖の霊に供物を捧げます。
・子に奉仕された東方の母父はまた五つの理由をもって子を大切にします。
①悪を防止します。
②善に入らせます(常識・守るべきルール・戒を持たせます)。
③伎芸を学ばせます(勉学・技術・資格)。
④ふさわしい妻(夫)を迎えます。
⑤適時に家督相続させます。
五つの理由によって奉仕された母父は同じく五つの理由をもって子を大切にします。
このようにしてあなたは東方が保護され、安穏で、恐れはなくなります。
【南=師匠・先生】
五つの理由によって弟子(生徒)は師匠(先生)に奉仕すべきです。
①起立し、出迎えます(荷物を持つ。座ってもらう。おもてなしをします)。
②付き随います。
③信じ、よく聞きます(聴聞)。
④お世話、給仕します。
⑤恭しく伎芸を学びます(礼儀正しく丁寧に)。
・弟子に奉仕されたは南方の師匠はまた五つの理由をもって弟子を大切にします。
①善く進むべきこと、行うべきことを教導します。
②善く学習させます。
③あらゆる技芸・知識を教える者となります。
④弟子の友人・知己に弟子の聡明さ、徳のあること、私と同等であることを語り知ってもらう。
⑤諸方に庇護を作ります。
五つの理由によって奉仕された師は同じく五つの理由をもって弟子を大切にします。
このようにしてあなたは南方が保護され、安穏で、恐れはなくなります。
【西=妻子】
五つの理由によって夫は妻に奉仕すべきです。
①誉めること(尊敬)を心がけます。
②暴力や軽視のないようにします。
③不倫のないようにします。
④持っている思いを実行させてあげます(家の権利を任せる)。
⑤己の財、富に随って、装飾品などをプレゼントします。
・夫に奉仕された西方の妻はまた五つの理由をもって夫を愛し大切にします。
①家族の健康を考えて食事を作り、適切に仕事を片付けます。
②身近な人のお世話を進んで行います。
③夫以外を心にも求めません。
④得られた財産を大切に扱います。
⑤あらゆる用事に巧みであり、勤勉であります。
五つの理由によって奉仕された妻は同じく五つの理由をもって夫を大切にします。
このようにしてあなたは西方が保護され、安穏で、恐れはなくなります。
【北=友人・知己】
五つの理由によって善家の子は友人・知己に奉仕すべきです。
①布施(施し与える)をおこないます。
②愛語(やさしい言葉)をもって接します。
③利他行によって(相手の本当の利益を考えて接します)。
④同時によって(協同、苦楽を共にします)。
⑤正直(実際の行動)によって。
・善家の子に奉仕されたは北方の友人・知己はまた五つの理由をもって善家の子を大切にします。
①迷っている彼を保護します。
②迷っている彼の大切なものを保護します。
③恐れている彼の庇護者になります。
④もろもろの災難に際して見捨てません。
⑤彼の子孫を尊重します。
※①②・・・経典には、お酒に酔って財産を失う、危険な目にあうことから助けてあげましょうと書かれています。
五つの理由によって奉仕された友人・知己は同じく五つの理由をもって善家の子を大切にします。
このようにしてあなたは北方が保護され、安穏で、恐れはなくなります。
【下=部下・従業員】
五つの理由によって主人(社長)は部下・従業員に奉仕すべきです。
①能力に応じて仕事を割り当てます。
②生活する為に必要な物・賃金を与えます。
③病人への対処・看病をします。
④珍しい、美味しい食べ物は分かち与えます。
⑤適時に休息を与えます。
・主人に奉仕されたは下方の部下・従業員はまた五つの理由をもって主人を大切にします。
①先に行動します(起きる)。
②後に帰ります(寝る) 。
③不正はせず、正しく与えられたものを受け取ります。
④不平をもらさず、満ち足りた心でよく仕事を行います。
⑤世間の中において、主人は差別が無く、私たちに対する尊重を備え、素晴らしい人格者であると徳を語り吹聴します。
五つの理由によって奉仕された部下は同じく五つの理由をもって主人を大切にします。
このようにしてあなたは下方が保護され、安穏で、恐れはなくなります。
【上=天皇・沙門(智慧と徳を備えた修行者)】
五つの理由によって善家の子は沙門に奉仕すべきです。
①慈しみの心を起こして作られた行動によって(お世話)(身)。
②慈しみの心を起こして作られた言葉によって(語)。
③慈しみの心を起こして作られた思い・祈りによって(意)。
(・・・経典から参考にすると、例えば、我々の家庭に親しむ 一族の長たち(または国の大臣)は怨みがなく、害することのない者であれ、と思うこと)
④戒を保つ(決められた厳しい戒めを守り実行している)修行者たちに施すことによって。
⑤修行の為の食事をもてなすことによって。
・善家の子に奉仕されたは上方の沙門は六つの理由をもって善家の子を大切にします。
①悪を防止します。
②善に入らせます。
③善い心をもって憐れみます。
(「あらゆる生命は幸福であれ。怨み、病、他を害することがない者となれ」
と利益を遍満させる)
④聞いていないことを聞かせます(真実を語る)。
⑤聞いていることを明白にさせます(真実性・涅槃の為に実践させる)。
⑥天(仏・菩薩)への道を告げます。
五つの理由によって奉仕された沙門は六つの理由をもって善家の子を大切にします。
このようにしてあなたは上方が保護され、安穏で、恐れはなくなります。
以上のことを聞き、この教えに従って実践する者には繁栄のみが期待される。
これより衰退することなど決してない。
日切大師弘元寺 平成廿九年三月廿一日
《 来月までのお祈り》
24日 地蔵 護摩 10時
4月1、2日 四国八十八ヵ所 参拝
2日 水子地蔵さま 10時 水子・諸霊供養
3日 毘沙門天 20時
6日 大黒天 23時
12日 弁才天 護摩 20時
20日 三宝荒神 20時
21日 大師縁日の護摩 20時 写経奉納・月参り日
並びに結縁潅頂[三昧耶戒]
22日 結縁潅頂[金剛界・胎蔵界への入壇]
《 ひとこと 》
・相手を思いやる気持ちが日々の所作に現れる。
お辞儀や言葉のうつくしい人でありましょう。